粉体塗装

粉体塗装(パウダーコーティング)とは

一般的に購入できる塗料は溶剤に顔料が溶け込んでおり、塗装後溶剤が揮発して塗膜が形成されます。 これに対して顔料を直接金属に吹き付けるのが粉体塗装です。
顔料の他に硬化剤や添加剤、フィラーなどが必要に応じて配合されます。「パウダーコーティング」とも呼ばれており、塗るというより細かい粒子で金属をコートするといったイメージです。
粉体塗装はガードレールやスチール家具、自動車部品、エクステリア用品など、過酷な使用状況の塗装に多く利用されています。

付着の方法

粉が金属にくっつくのはなぜか?不思議な感じがしますよね?それは静電気の力なのです。
金属はプラスの電気を帯びています。そこにマイナスの電気を与えられた粉体の塗料がくっつくのです。
その静電気の力を利用したのが静電乾式吹き付け法です。
静電ガンを用い、電荷を与えられた粉末塗料を加圧空気により噴霧します。+イオンと-イオンの引力により付着させ、その後オーブンで加熱することで焼き付けられれて均一な塗膜できます。

粉体塗装(パウダーコーティング)の特徴

1)強い塗膜

粉体塗装の場合1回の塗装で40~150ミクロンの塗膜をつくることができます。これは溶剤塗装のおよそ4~5倍の厚みです。それに加えて塗膜自体の強度もあるので、キズに対しては非常に強い塗装といえます。さらに耐熱性、耐油性にも優れているので自動車部品などの過酷な使用にも耐えうる強い塗装といえます。

2)柔軟性のある塗膜

粉体塗装はキズに強い一方で、塗膜自体が柔軟であるという特徴があります。溶剤塗装の場合、屋外など温度差の激しい場所に長時間放置すると金属の伸縮に塗膜が対応できずにひび割れなどを起こしてしまいますが、粉体塗装の場合は柔軟に伸縮するので、ひび割れなどが起きにくく、塗装の寿命が長いのが特徴です。

3)優れた防錆能力

粉体塗装は溶剤塗装に比べ塗膜が厚く、ピンホールなども少ないので、空気に触れにくく錆びにくいという特徴があります。ガードレールやエクステリア用品など耐候性が求められる製品にも適しています。

4)環境にやさしいエコ塗装

粉体塗料は有機溶剤を全く使用しないので、中毒や火災などの塗装作業におけるリスクが低減できます。また揮発することがないことに加えて塗料自体の回収も可能なので、塗料のロスが非常に少ないのも特徴です。大気汚染や汚水の問題もクリアした、環境にも生態系にもやさしいエコ塗料です。

塗装行程のご紹介

被塗物は頭上を走る懸架式コンベアに吊されて、工場内を整然と移動していきます。
大まかな工程としては

1
前処理
前処理
2
下塗り・プライマー
下塗り・プライマー
3
上塗り・本塗装
上塗り・本塗装
4
焼付
焼 付
5
検査
検 査

という工程で通過していきます。

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